2.データ分析手法と分析手順
2-4.EIQマトリクス
EIQ分析の概要
EIQ分析は、出荷データからE(Entry:出荷先)、I(Item:商品)、Q(Quantity:数量)の相関を分析する手法です。その源流は、物流現場で古くから行われてきた種まき作業(バラピッキング)で用いられる「種まき表」にあります。
Tera計算では、このEIQ分析に商品の寸法要素を加えた「SEIQ」の概念をベースとしており、ケース数・パレット数・容積・重量といった実務的単位への自動換算と可視化を実現しています。
1) 出荷散布図
EIQ表の1マス(セル)を出荷実績の有無に応じた「点(打点)」で表現し、出荷データ全体を一画面で表示したものが出荷散布図です。
- 特徴: 数千アイテム×数百出荷先に及ぶ膨大な出荷データ全体を直感的に俯瞰・把握するのに極めて有効です。
- 課題と限界: 全体の傾向や疎密状態は視覚的に見出せても、具体的な物量(Q)の大きさや詳細な数値までは直接読み取ることができません。
2) 出荷データのクロス集計(EIQ表)
縦軸にアイテム、横軸に出荷先を配置した巨大なクロス集計表(マトリクス)がEIQ表(種まき表)です。全出荷データを対象に、バラ数の多い順位にアイテムをソートして表示します。
- データ規模: 例えば「430出荷先 × 1,984アイテム」規模のデータでは、膨大すぎるため人間の目では一目で読み取れません。表示範囲やPCの処理負荷を考慮し、ページ分割(例: 66ページ分)等で処理を行います。
- 分析と所見: 上記表では上位1・2位の出荷先が空欄となっています。これは「上位出荷先への定期出荷はお休みの日(配送休業日)であるが、下位アイテムの緊急出荷のみ対応している」といった、意図的に出荷日を分散させる配車・配送運用の工夫を表しています。こうした現場の運用傾向を読み解く鍵となります。
3) EIQマトリクス表
巨大なEIQ表を「アイテム5ブロック × 出荷先5ブロック = 計25ブロック」に分割して集計したものがEIQマトリクス表です。
- 実務上の活用: システム設計時や物流機器設備(保管棚・ソーター・ピッキングシステム等)の割り振りを検討する際、最も取り扱いやすく効果的なブロック区分となります。
- 柔軟な単位換算: 出荷行数(レコード数)だけでなく、ケース数・パレット(PL)数・容積などの単位に相互換算して比較表示することが可能です。
- ランキー比率の設定: 全体を100%とした場合、各ブロックに物量比率(ランキー比率)を割り当てて集計します。「Tera設定」の変更により各ブロックの比率を変更してデータ加工・シミュレーションを行うことも可能です。