← メニューへ戻る
jp eng tw ___ By 物流技術研究所

物流施設計画及び改善|関連知識

配送センター計画

2-9. 銀行融資(借入金)の返済シミュレーション

自社建設費30億円の全額を「金利1.5%・20年返済(元利均等返済)」の銀行融資で調達した場合の返済シミュレーションと、賃貸運用(1,800坪・月額約900万円)との10年間キャッシュフロー比較です。

1. 銀行融資(借入金)の返済シミュレーション

借入条件
返済項目 金額(概算) 備考
月額返済額(元金+利息) 1,448 万円 / 月 うち元金約1,073万〜1,228万円、利息約375万〜220万円
年間返済額 1 億 7,376 万円 / 年 12ヶ月分
10年間の返済累計 17 億 3,760 万円 10年経過時点(残り10年)
利息支払い総額(20年全期間) 4 億 7,520 万円 20年間の返済総額:34億7,520万円
10年目終了時のローン残高 約 16 億 1,800 万円 元金(30億円)の約46%を返済完了

2. 10年間の実質キャッシュアウト比較表

「融資返済」の場合、月々の支払額は「元利金返済」に代わりますが、土地・建物の固定資産税や修繕維持費が加わります。

※比較条件: 賃貸は 1,800坪 × 5,000円/坪(賃料+共益費)= 月額 900万円(年額 1億800万円)

資金流出・コスト項目 ① 自社建設(30億融資・20年返済) ② 賃貸物件(10年間利用) 差額・備考
初期自己資金(CAPEX/敷金) 0 円(フルローン想定) 1.2 億円 ②敷金6ヶ月(回収可)+C工事費
月々の固定支払(10年累計) 17.38 億円(返済金) 10.80 億円(賃料+共益費) ①月1,448万円 × 120ヶ月
②月900万円 × 120ヶ月
固定資産税・都市計画税(10年) 約 2.80 億円 0 円 ①土地・建物の公課
保全・修繕・保険費用(10年) 約 1.50 億円 約 0.60 億円 ①外壁・屋根・点検・火災保険等
【10年間の総キャッシュアウト】 21.68 億円 12.60 億円 流出する現金の差:①が +9.08億円多
10年後の資産額(不動産価値) 15.00 億円(土地含み価値) 0 円 ①地価が買った時と同じと仮定
10年後の負債額(残金ローン) ▲ 16.18 億円(ローン残高) 0 円 ①あと10年間の返済残あり
【10年後の純資産インパクト】 ▲ 1.18 億円 0 円 資産15億円 − 負債16.18億円
【10年間の「実質負担額」】 22.86 億円
(総流出 21.68億 + 純資産赤字 1.18億)
12.60 億円 純資産の動きを含めた実質負担

3. 経営キャッシュフローのポイント

① 10年目までのキャッシュフロー面(賃貸が優位)

・ 月々の現金流出:

・ 結論: 最初の10年間は、自社建設(融資返済)の方が月あたり約900万円(年間1億円超)現金が余分に出ていきます。本業の資金繰りに余裕がない場合は、賃貸の方が安全性が高くなります。

② 11年目〜20年目の逆転シナリオ

・ 20年目(ローン完済後)の変貌:

③ 会計・税務面(損益計算書へのインパクト)

4. 総合判断

「事業の拡大スピード」や「資金効率(ROIC)」を重視する場合

最初の10年間でキャッシュアウトが9億円以上少ない「賃貸」を選び、浮いた年間1億円の資金を「追加のマテハン機器(自動化設備)」「他拠点への展開」「商品開発・採用」に回す方が、事業の成長スピードは速くなります。

「20年以上の超長期的な固定費削減」や「自社資産の形成」を重視する場合

完済後(21年目以降)の年間固定費が大幅に下がる「自社建設(融資)」が最終的な勝利となります。手元資金や銀行の融資枠に十分な余力がある場合の戦略です。

← メニュー一覧へ戻る