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配送センター規模算定・自動化設計

第7章 Tera計算2_配送センター規模計算

配送センターの規模計算は、ケースやバラの移動・保管を繰り返す加減算の組み合わせです。計算時には目的によって単位(出庫回数、バラ数、ケース換算、PL換算、容積換算、重量換算)が変化します。

Tera計算2では、個別の現場計算ロジックを統合し、全データ平均値(Tera設定)をもとに、入荷から出荷・保管・建屋・敷地面積までの一連の規模を算出します。

第1節 規模計算用データ加工

Tera計算2では、保管スペースのパレット保管に着目してランク設定キーに「PL換算」を採用しています。

💡 出荷データで「全体平均」を採用する2つの理由

1. 計算漏れの防止: 特定の出荷日のみを選択すると、その日に出荷実績のないアイテムが計算から漏れてしまうため。

2. 過剰投資の防止: 最大ピーク日で計算すると必要以上に大きい配送センターが算出されてしまうため(ピーク時は安全在庫で補う運用が基本)。

Tera計算2ではケース出荷とバラ出荷を区分して計算し、Access内に32の集計テーブル(換算値含む)を保存して多様な検証を可能にしています。

第2節 在庫量の推定

第1項 在庫の平均と安定時運用在庫の違い

実績の在庫データをそのまま使用せず、出荷データから適切な在庫量・入荷量を理論計算して比較検証することが重要です。

  • 最大在庫: 在庫の上限値(これ以上の在庫は持たない)。
  • 安全在庫: 在庫量の下限値(入荷遅れや突発的出荷に備えて常時確保)。
  • 注文点(最小在庫): 発注から入荷までの期間に消費される在庫の閾値。
  • 安定運用時在庫(Tera計算採用): 入荷日を分散して管理された状態での在庫。
    変動する在庫 = 出荷数 × (最大在庫期間 - 安全在庫期間)
    安定運用時在庫 = (変動する在庫 ÷ 2) + 安全在庫

第2項 在庫量推定の手順

出荷データからアイテム当たりの在庫(PL換算)を算出後、パレット積付形式(単載PL、2混載〜8混載PL)を判定・区分して正確なパレット数を計算します。

第3節 入荷量推定

変動する在庫日数(例:6日サイクル)に応じて入荷日を分散させ、配送センター全体の総在庫量を最小化します。

アイテム当たりの入荷量(0.5PL以上=パレット単位、0.5ケース以下=バラ単位など)から荷姿を判定し、全入荷量を推計します。

第4節 必要スペース計算

第1項 入荷スペース面積とバース数の計算

入荷は発注コントロール(日時指定)が可能なため、出荷スペースが空いている時間帯を共有利用することで、必要な入荷スペースを削ることが可能です。

  • ピーク時間帯物量: 1日で最も物量が多い1時間の物量(ピーク比率から算出)。
  • トラック車種と積載方式: 大車、40ftコンテナ、ケース直積み(容積計算)、パレット積載(パレット厚150mmロス計算)を設定。
  • 入荷バース数: ピーク1時間にトラック着床に必要なドック数(着床時間の累計 ÷ 60分)。
  • 面積倍率: 荷物の隙間、作業通路、事務スペース、伝票処理・検品時間を加味(目安120〜130%)。

第2項 出荷スペース面積とバース数の計算

保管スペースから蔵出したケース仕分け品、ピッキング後のバラ品を集約・検品・梱包し、出荷先別に荷揃えするスペースです。

  • ピーク物量比: 機器稼働率を高めるため物量比は目安25%以下に抑える(前倒し作業等の対策)。
  • 輸送機器と容器: 直積み、パレット、カゴ台車(850×650、1100×800等)、ドーリ台車などを選択。専用便はカゴ台車返却可能、共配・宅配便は段ボール再包装出荷。
  • 出荷コンテナ充填率: 30型〜60型オリコンを使用(充填率目安70〜90%)。折畳み空コンテナ置場(40型で約0.0118㎡/個)も算出。

第3項 出荷作業スペース面積の計算

ケース仕分けスペースと、バラ出荷用のピッキング棚(フロー棚・中量棚)および検品・包装場の計算です。

  • 出荷実績のないアイテム: 在庫データにある非出荷アイテム(例:918アイテム)をバラ棚ランクDに加算し、保管間口数を確保。
  • フロー棚(高流動品): 3〜5日分の在庫設定。ピッキング通路・補充通路を考慮した平面積および有効間口容積を算出。
  • 中量棚(低流動品): 7〜14日分の在庫設定。ピッキング通路を含めた棚平面積・容積を算出。
  • 検品・包装場 バラ出荷のピーク処理数と検品時間(例:1点3秒)から必要ライン数および設置面積を算出。

第4項 保管スペース面積の計算

全在庫から出荷作業スペース(フロー棚・中量棚)の在庫を差し引いた物量を保管します。

⚠️ 5m基準と消防法上の「仮想床」ルール

ラックの最上段保管物の底部が高さ5,000mm(5m)を超えると、建築・消防法上で「仮想床」が加算され、防火壁設置基準が厳しくなるため注意が必要です。

  • PL固定棚: ビームとデュアル通路(荷役通路)で単載・混載パレットを管理(100mmのクリアランス確保)。
  • PL電動棚(1・2): 電動台車により通路を共有化し設置面積を縮小(台車高200〜250mm増、制御盤+400mm)。
  • プッシュバック棚・PL自動倉庫: 高密度保管設備への割り当て。

第5項〜第6項 事務所・福利厚生および全物流スペースの調整

出荷・入荷・作業・保管の各スペースに、事務所・福利厚生エリア、資材・副資材(段ボール・テープ・帳票)置き場、メイン通路(幅4m等)を加算し、入荷・出荷スペースの共有削減要素を調整して総面積を確定します。

第5節〜第8節 建屋・敷地面積計算と考慮事項

建屋面積および構造設定

  • 建物仕様: 外壁厚(200mm)、柱ピッチ(10mスパン)、1階高床(1,000mm)、階高(床上7,000mm)。
  • 建蔽率・容積率: 建蔽率=(建屋投影面積 + 庇面積×50%)÷ 敷地面積。容積率=延床面積 ÷ 敷地面積(Tera設定:建蔽率60%・容積率200%)。
  • 建屋パターン: 階数(1〜5階)、別棟自動倉庫の有無、庇有無などの40パターンから最適仕様を計算。

敷地面積および周辺法規・安全配慮

建屋投影面積に加え、大型トラック旋回通路(車両幅+1m以上)、待機スペース、駐車場・駐輪場、緑地率を考慮します。

📌 現場設計における必須考慮事項(Tera計算外項目)

・廃段ボール処理場、仮置き場、パレット洗浄場
・トイレ・洗面所、避難誘導通路(歩車分離)
・法定伝票・帳票保管スペース
・近隣住民調整、防犯保安、高さ制限、道路アクセス条件