物流の変遷を辿ると、人の手渡しから畜力・船舶、蒸気機関、温泉・トラックや航空機へと発展し、少量輸送から大量輸送へと拡大してきた歴史がわかります。点(物流拠点)と線(輸送ルート)の組み合わせが物流ネットワークを構成しています。

本著作では、段ボールケース等でパッケージ化された入荷物を扱い、店舗納品や通販出荷を行う「配送センター(物流施設)」の物量計算および設備規模計算(Tera計算)について解説します。
商流とは、供給(生産者)から需要(消費者)へ商品を提供し代金を回収する商業活動全般を指します。物流は商流の一部であり、商品の輸送・保管・仕分け・流通加工・包装・納品といった「実際に物理的に商品を扱う業務」です。
消費者が同じ価値・価格の商品から企業を選ぶ際、「納品が早く・正確で品質が保たれているか(物流の優位性)」が決め手となるため、物流は重要な企業戦略と位置付けられています。現代では労働力不足や環境問題への対応から、自動化・機械化(ロボット導入や無人搬送)が急速に進んでいます。
電子商取引の拡大により、BtoB(企業間)、BtoC(企業対個人)、CtoC(個人間)のEC物流が急成長しています。物流代行(3PL)の充実により、自社で物流機能を持たない事業者でも商売が可能となりました。
輸送機器の発展は、搬送容器(麻袋、樽、パレット、段ボール、樹脂コンテナ等)の進歩と相互に依存しています。
段ボールの縦・横・高さ寸法をパレットやトラック積載に最適化(モジュール計算)することで、積載効率が飛躍的に向上しました。
バラピッキング等で内容量が減り不安定になる段ボールの弱点を補い、自動搬送機(コンベヤ等)や自動倉庫での安定した自動運用を可能にしています。
上位ホスト(基幹システム)から入荷予定・出荷指示を受信し、実作業完了後に確定データを送信します。SKU(Stock Keeping Unit / 最小管理単位:賞味期限や製造ロット毎)による一元管理を行います。
保管ラック、自動倉庫、コンベヤ、ソーター、ピッキングシステム等のハードウェア群です。
管理者が作業員の手配、順序付け、作業進度管理をリアルタイムに行い、計画通りの運用を確保する管理手法です。
入荷バース(トラック着床)➔ 入荷検品(数量・品質)➔ 保管エリア(格納・ロケーション管理)➔ 出庫・補充(パレット/ケース一括またはバラ用フロー棚)➔ ピッキング・仕分け(ソーター/カゴ台車)➔ 出荷検品・出荷保管 ➔ 出荷バース(積込)
荷物の存在形態であるP(パレット)、C(ケース)、B(バラ)の各物量を見極め、適切な機器と作業運用を割り当てる手法です。Tera計算1はEIQ分析からCとBの数量を集計抽出し、最適な格納設備選定へと繋げます。
💡 第3項 システム設計に関する考察(トライ&エラーの重要性)
システム設計に唯一の正解はなく、複数のレイアウト比較案を検討する「トライ&エラー」でブラッシュアップを行います。標準的な「パレット固定棚+手作業(検討案1)」から「パレット電動棚/自動倉庫(検討案2)」への変更など、投資対効果(作業削減費 VS 設備投資費)が優位なレイアウト(最適解)を導き出すことが肝要です。
なお、設備検討と同時に「安全優先(法令・社内基準)」および「作業環境(身体負荷軽減・衛生・商品品質保持)」の確保が不可欠です。