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物流データ分析・研修資料

物流データ分析方法

平成21年2月24日

物流技術研究所 寺本敏幸

目次

1. 物流データ分析時の予備知識

関係者は出荷特性をどこまで把握しているか

物量の把握方法は部門によって異なります[cite: 17]。経営・経理部門は「金額」で把握し、営業部門は「数量」で把握します[cite: 17]。物流部門管理者は「数量と容積」で把握しますが、物流システムを設計・分析するためには、さらに踏み込んで「商品特性・出荷方法と物量の関係を時間の経過で把握」する必要があります[cite: 17]。

暗黙知(Tacit Knowing)への対応
物流の現場や企業内には、言葉や記述で表せない経験に基づく「暗黙知」が存在します[cite: 17]。データ分析においては、本人や共有グループにしか分からないこの暗黙知を、第三者にも理解できる表現(要件定義)に変換することが不可欠です[cite: 17]。

データ表現方法(点から線、面へ)

物流データは単に点で見るのではなく、線(From-To)や多次元で見る必要があります[cite: 17]。各工程を数量(個、トン、㎡)と時間の概念で即座に抽出できる元データを作成し、「EIQ分析」や「EIQVT分析」へと展開します[cite: 17]。

センターの特性とPCB分析

販売物流センターには、「出荷指示受信〆から指定出荷時間までに作業を完結する」「作業順番がある(荷降ろしの逆順)」「パレット・ケース入荷からケース・バラ出荷機能が必要」といった特性があります[cite: 17]。

入荷・保管・出荷のそれぞれのパターンをP(パレット)C(ケース)B(バラ)の単位に分けて分析する手法がPCB分析です[cite: 17]。保管を優先するか、出荷を優先するかによって最適なシステム構成を選定します[cite: 17]。

物流機器の処理能力(目安)

機器名 処理能力の目安
A型Picマシン 1,200トート / 時[cite: 17]
SASシステム 600ケース / 時[cite: 17]
仕分機 2,000〜10,000ケース / 時[cite: 17]
高速分岐合流ライン 2,000〜6,000ケース / 時[cite: 17]
ベルトコンベヤ (速度 20-70m/分) 1,800〜3,600ケース / 時 (搬送ピッチによる)[cite: 17]

2. データ分析前に行われる作業

現状調査とデータ確認

データ分析に入る前に、以下のような現状調査表を作成し、システムや現場の状況を把握します[cite: 17]。

欠落項目の対応

顧客から提供されるデータには、欠落や未入力項目が含まれることが多々あります[cite: 17]。例えば、商品マスターの形状(寸法)データがメンテナンスされていなかったり、ゼロ出荷・マイナス出荷のデータが混在していたりします[cite: 17]。

顧客との打ち合わせを通じて未記入データの取り扱いルールを決定し、救済できるデータは最大限活用しながら、全てのデータを集計して全体の整合性を合わせる必要があります[cite: 17]。

3. 一般に行われている分析方法とEIQ分析

物流ABC (Activity Based Costing)

活動基準原価計算[cite: 17]。コストを発生させる作業単位(Activity)で原価を把握する手法です[cite: 17]。例えば、「時給1,000円のパートが1時間に200ケースをピッキングした場合、平均原価は5円/ケース」と計算します[cite: 17]。

コスト比率の高い部分に着目し、改善の動機付けや範囲を見極めます[cite: 17]。

ABC分析

アイテム単位に売上高や出荷量の多い順に並べ、A、B、Cの3つのグループに分けて管理します[cite: 17]。

食品センターの場合、一般的に上位20%のアイテム(Aランク)で全体の70%〜80%の物量を占め、残りの80%のアイテム(低流動品)で20%の物量となります[cite: 17]。

EIQ分析の概要

物流コンサルタントの鈴木震氏によって開発された手法で、物流の基本要素である以下の3つから物流センターの特性を分析します[cite: 17]。

これらをマトリクスに落とし込み、注文数の密度を見ることで、シングル・オーダー・ピッキングにするか、集約ピッキング(種まき)にするかといったピッキング方式の選択や、物流システムの設計判断に用います[cite: 17]。

4. EIQ分析の手順と方法

システム構築に向けたEIQ分析は、以下の手順で進められます[cite: 17]。

  1. 現場聞き取り調査: 現場の状況を確認する[cite: 17]。
  2. データ整理・DB化: 提供されたデータをデータベースに取り込み、紐付けを行う[cite: 17]。
  3. 集計とターゲット日設定: 月別・日別集計を行い、分析のターゲット日を決定し、データ特性のイメージを作る[cite: 17]。
  4. 物流フロー図の作成: 想定するシステムの流れを確認する[cite: 17]。
  5. 将来構想データの作成: 将来の物量変動(アイテム・発送先の増減)を加味する[cite: 17]。
  6. EIQ分析の実行: 顧客別・アイテム別の物流量を分類し、適正な作業(機器システム)を想定して必要処理量に換算する[cite: 17]。
  7. タイムスケジュールの検証: 作業タイムスケジュール表を作成し、要求処理量とシステム能力のバランスを検証する[cite: 17]。
  8. 提案書の作成: システム設計根拠としてドキュメント化する[cite: 17]。

作業運用コンセプトの策定

分析結果を基に、「全てを機械に頼らない(手作業との併用)」「作業負荷の大きい低流動グループの機械化(SAS導入等)」「日々の物流波動に合わせた柔軟な運用」などのコンセプトを固めていきます[cite: 17]。

5. EIQ分析の集計例(参考)

実際の分析では、データベース(DBのクエリー等)を利用して膨大なデータを集計します[cite: 17]。