効率化や競合による運賃安が続き、企業の売上高に対する物流コスト比率は長らく5%未満〜5%前後で低位安定していました。
ドライバー不足の深刻化に伴うトラック運賃の値上げ要請、燃料高騰、人件費の上昇を背景に物流コストの上昇が本格化しました。
2021年度には5.70%と過去20年で最高比率を記録。近年も5.36%〜5.44%と高水準で推移しており、「物流の2024年問題」やインフレへの対応からコスト負担感は過去20年で最高水準にあります。
製造業の海外移転、製品の軽量化、共同配送等の効率化により、総輸送重量は2000年代初頭の50億トン規模から40億トン台前半へと緩やかに減少・横ばいが続いています。
BtoB大量輸送が伸び悩む一方、EC拡大で宅配便の取扱個数は大幅増加。総重量は増えずとも配送件数・小口化が増えて作業負荷とコストが増大する構造変化が起きています。
各地域ブロックから出荷される貨物の大部分(約70〜80%)は、同じブロック内で完結する流動(域内輸送)です。
残りの約2〜3割(域外流動)は、主に「隣接する地域ブロックへの輸送」や「関東・中部・近畿といった大都市圏への集中輸送」で占められています。
1. 三大都市圏への極度な集中(56.6%)
関東(27.8%)・中部(16.1%)・近畿(12.7%)の3ブロックだけで、日本全体の貨物出荷量の過半数(56.6%)を占めています。2. 高い「地域内完結率」(77.1%)
全国の総物流量のうち約77.1%は同じブロック内で完結(地域内流動)しており、残りの約22.9%が地域ブロックを跨ぐ輸送(地域間流動)です。特に関東・九州は地域内完結率が高い傾向があります。3. 都道府県別トップは「愛知県」
地域ブロック単位では関東が1位ですが、都道府県単体で見ると、製造業が集積する愛知県が全国1位の出荷量を誇ります。
全国の主な流通団地(流通業務団地)は、都市機能の混雑緩和と物流の効率化・集約化を目的に、高速道路のインターチェンジ(IC)や主要幹線道路、港湾・空港の近接地に整備されています。
巨大な消費地と国際港湾・空港を抱える首都圏では、湾岸部と内陸環状道路(外環道・圏央道)沿いに大規模な流通団地が集積しています。
日本最大級の「京浜トラックターミナル」をはじめ、大田市場や各種物流倉庫が集積。羽田空港や東京港に隣接し、首都高速湾岸線・羽田線へのアクセスに優れた日本を代表する総合物流拠点です。
首都高速5号池袋線沿いに位置し、関越自動車道や東北自動車道へのアクセスが容易です。首都圏北部および関越・東北方面への配送・中継拠点としての役割を担っています。
東京湾岸道路(首都高湾岸線・国道357号)沿いに位置し、東京都心部および千葉・茨城方面への配送拠点です。葛西トラックターミナルや各種冷凍・冷蔵倉庫が集積しています。
東名高速(厚木IC)、新東名、圏央道(さがみ縦貫道路)が交差する交通の要衝に位置します。首都圏全域への配送に加え、中京・関西圏を結ぶ広域物流の重要ハブです。
製造業(自動車・機械)の一大集積地であり、東名・名神・中央道・新東名などが集約する日本の物流ジャンクションです。
東名高速と名神高速の接続点(小牧IC)であり、中央自動車道や名古屋高速にも近接する「日本最大の物流ジャンクション」の一つです。中京圏のみならず、東日本と西日本を結ぶ中継拠点として機能しています。
名古屋港の国際コンテナターミナルに直結し、伊勢湾岸自動車道へのアクセスが抜群です。輸出入貨物や自動車関連部品の保管・加工・配送を担う港湾立地型の拠点です。
名神・中国道・阪神高速・近畿道などが交差し、西日本全域と京阪神都市圏をカバーする基幹物流エリアです。
名神高速(茨木IC)、中国自動車道、近畿自動車道、新名神高速が集まる関西最大の物流拠点です。西日本全域への広域配送および京阪神都市圏への小口配送を一手に担います。
近畿自動車道や阪神高速13号東大阪線に直結し、ものづくりの街・東大阪の工業集積とも連携しています。大阪市内への都市型配送と近畿圏広域配送の双方向をカバーします。
神戸港、山陽自動車道、中国自動車道、神戸淡路鳴門自動車道を結ぶ結節点に位置します。中国・四国地方および海外輸出入貨物の物流拠点として重要な役割を果たしています。
主要高速道路の接続部(ジャンクション)を中心に、広域クロスドック(積み替え)拠点として発達しています。
九州自動車道・長崎自動車道・大分自動車道が交差する「九州の物流十字路」に位置します。九州全県へ数時間以内で配送可能な立地を生かした一大物流ハブです。
九州自動車道(福岡IC)や福岡都市高速に隣接し、博多港や福岡空港にも近い九州最大の流通・卸売団地です。卸売企業や配送センターが高度に集積しています。
山陽自動車道(広島IC等)に近接し、中国地方全域および瀬戸内対岸の四国エリアへの配送拠点として機能しています。
広大なエリアをカバーするため、幹線高速道路・港湾・空港に直結した広域配送拠点が形成されています。
道央自動車道(札幌南IC)や国道274号に直結する北海道最大の物流拠点です。道内各地への幹線輸送と札幌都市圏への配送を一括して担っています。
東北自動車道(仙台宮城IC)、仙台東部道路、仙台港に近く、東北6県をカバーする東北最大のハブ拠点です。
長距離大型輸送(幹線輸送)から都市内の小口配送(集配輸送)へのスムーズな積み替え・仕分けを可能にします。
大型トラックの路上駐車、騒音、排気ガスといった物流公害を都市中心部から郊外へ分離・抑制します。
トラックターミナル、倉庫、卸売市場、配送センター、流通加工施設が一箇所に揃うことで、共同配送や荷物の持ち合いが容易になり、積載率向上とコスト削減をもたらします。