延床面積 1,800坪(固定) において、土地代まで含めた総投資額を最小化できる「2階・3階建て」と、敷地面積を極限まで小さくできる「4階・5階建て」を詳細に比較・解説します[cite: 4]。
1階あたりの床面積が狭くなる高層階(4階・5階)特有の「構造コストの跳ね上がり」と「運用の注意点」が明確になります[cite: 4]。
※延床面積 1,800坪(固定)、建築坪単価は近年の資材・人件費高騰を反映(S造・システム建築/標準仕様)、土地代は相模原市等の標準的な工業地域(坪50万円、建ぺい率60%・トラックバース確保前提)で試算しています[cite: 4]。
| 階数 | 1階建て(平屋) | 2階建て | 3階建て | 4階建て | 5階建て |
|---|---|---|---|---|---|
| 建築面積(1階ワンフロア) | 1,800 坪 | 900 坪 | 600 坪 | 450 坪 | 360 坪 |
| 建築坪単価(目安) | 65万〜75万円 | 75万〜85万円 | 85万〜95万円 | 95万〜110万円 | 110万〜125万円 |
| 【A】建築本体工事費 | 約 12.6 億円 | 約 14.4 億円 (対平屋 +14%) |
約 16.2 億円 (対平屋 +28%) |
約 18.5 億円 (対平屋 +46%) |
約 21.1 億円 (対平屋 +67%) |
| 必要垂直搬送設備 | 不要 | 垂直搬送機 1〜2台 (約 2,000万〜4,000万) |
垂直搬送機 2台 +エレベーター |
垂直搬送機 3台 +非常用EV |
垂直搬送機 3〜4台 +非常用EV |
| 【B】搬送・防災設備増額 | 0 円 | 約 0.4 億円 | 約 0.8 億円 | 約 1.2 億円 | 約 1.6 億円 |
| 【建築・設備合計(A+B)】 | 約 12.6 億円 | 約 14.8 億円 | 約 17.0 億円 | 約 19.7 億円 | 約 22.7 億円 |
| 必要敷地面積(目安) | 約 3,000 坪 | 約 1,600 坪 | 約 1,100 坪 | 約 850 坪 | 約 700 坪 |
| 【C】土地購入費(坪50万) | 15.0 億円 | 8.0 億円 | 5.5 億円 | 4.25 億円 | 3.5 億円 |
| 【総投資額(A+B+C)】 | 約 27.6 億円 | 約 22.8 億円 | 約 22.5 億円 | 約 23.95 億円 | 約 26.2 億円 |
建築費のみで見ると平屋が最も安いですが、「土地+建物」の総投資額で見ると 2〜3階建て が最もトータルコストが安く収まる(損益分岐点)結果となります[cite: 4]。
平屋や2階建てに比べ、4階・5階建ては建築単価が1.5倍〜1.7倍近く跳ね上がります[cite: 4]。その主な要因は以下の通りです[cite: 4]。
4〜5階分の荷重(床荷重 1.5t/㎡以上)と地震時の水平力を支えるため、柱や梁の鉄骨量が急増します[cite: 4]。また、地中深く打つ地盤改良杭の長さや太さが増し、基礎工事費が大きく高騰します[cite: 4]。
上階への荷物輸送を滞らせないため、垂直搬送機(VIF)を3〜4台設置する必要があります(1台あたり約1,500万〜2,000万円)[cite: 4]。また、建築基準法に基づき非常用エレベーター(約3,000万円〜)の設置義務が発生します[cite: 4]。
延床1,800坪という規模(中規模物流施設)で4階・5階建てを選択した場合、コスト面だけでなくオペレーション上のリスクが生じます[cite: 4]。
1フロアあたりが360坪(5階)〜450坪(4階)と狭くなります[cite: 4]。この狭いフロア内に「垂直搬送機×3台」「エレベーター」「非常用階段」「トイレ・休憩室」「通路」を配置すると、実際に荷物を置ける「有効保管面積」が1フロアにつき20%以上削られてしまいます[cite: 4]。
出荷ピーク時に、1階のトラックバースと4階・5階の間で荷物の上下移動が集中し、搬送機前の荷待ち(渋滞)が発生しやすくなります[cite: 4]。
建築費の上昇幅と土地代の削減幅のバランスが最も優れており、総投資額(約22.5億〜22.8億円)を最も低く抑えられます[cite: 4]。