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物流施設計画及び改善|関連知識

配送センター計画

2. 用地代と建設コスト

物流は輸送と輸送のハブとなる物流センター(配送センター)からなります。この欄は物流コスト比率が大きい物流センターと用地のコストについて説明します。

神奈川県相模原市に敷地 3,000坪・延床面積 1,800坪(平屋)の配送センターを新築する場合、プロジェクト全体の総予算目安は概ね 23億〜39億円程度となります。この時の「用地購入費」と「建物・建設関連コスト」の内訳および概算シミュレーションを解説します。

総合予算の概要(概算)

1. 用地代(用地取得コスト)の相場

相模原市内の工業地域・准工業地域(インターチェンジ周辺含む)における用地取得単価の目安です。

エリア・条件 土地坪単価の目安 3,000坪の取得総額
郊外・内陸部(緑区など / ICからやや離れたエリア) 35万〜45万円 / 坪 10.5億 〜 13.5 億円
標準的な工業地帯(中央区・南区 / 国道沿い等) 45万〜55万円 / 坪 13.5億 〜 16.5 億円
立地良好(圏央道 橋本IC・相模原IC至近等) 55万〜65万円 / 坪 16.5億 〜 19.5 億円
💡 ポイント

圏央道沿線(さがみ縦貫道路)へのアクセス性が良い立地は物流需要が高く、坪50万円以上の取引が多く見られます。

2. 建設コストの内訳(建築・土木・設備)

建築資材(鋼材等)および労務費の高騰を背景に、倉庫・物流施設の単価は高水準が続いています。平屋の鉄骨造(S造)物流倉庫(高床または低床)を想定した試算です。

① 建物本体工事費(システム建築・S造平屋)
② 外構・土木・インフラ工事費

敷地3,000坪に対して建築面積が1,800坪の場合、残り1,200坪はトラックバース・駐車場・転回広場となります。

③ 設計・監理費および諸経費

3. 総費用概算シミュレーション表

項目 【標準・ローコスト仕様】 【ハイスペック・好立地仕様】
土地購入費(3,000坪) 12.0 億円(40万円/坪) 18.0 億円(60万円/坪)
建物本体工事費(1,800坪) 11.7 億円(65万円/坪) 15.3 億円(85万円/坪)
外構・土木工事費 0.8 億円 1.2 億円
設計・申請・附帯費用 0.5 億円 0.8 億円
【合計費用(税抜)】 25.0 億円 35.3 億円

※マテハン機器・自動化設備(ソーター、AMR、自動倉庫等)や、事務所内装・空調設備を大規模に入れる場合は、上記に加えて数千万円〜数億円の追加予算が必要です。

4. コストを抑えるためのポイント

1. システム建築(プレハブ・規格化鉄骨)の採用

在来工法(特注設計)に比べ、工期を約20%短縮でき、坪単価も15〜20%程度抑えられます。

2. 土地の形状と開発許可の確認

相模原市は市街化調整区域も多いため、開発許可(都市計画法第34条等)が必要な土地は土地単価が安い反面、開発造成費用(土木工事費)が数千万円単位で跳ね上がるリスクがあります。

5. 3エリアの物流施設の賃貸料相場

日本の主要3大都市圏(首都圏・近畿圏・中部圏)における大型賃貸物流施設(先進的物流施設 / LMT)の賃料坪単価相場です。エリアごとの全体平均(実質賃料)と、詳細な細分エリア別の相場帯をまとめました。

3大都市圏の賃料相場一覧(月額・共益費除く)

エリア 平均坪単価(相場帯) 特徴・受給バランス
首都圏(東京圏) 4,300円 〜 4,600円 / 坪 新規供給の一巡により需給が改善基調。湾岸部と内陸部で二極化。
近畿圏(関西圏) 4,100円 〜 4,300円 / 坪 堅調な需要に支えられ、大阪内陸部・湾岸部を中心に緩やかな上昇傾向。
中部圏(名古屋圏) 3,600円 〜 3,800円 / 坪 大量供給により空室率は高水準だが、中心部の好立地物件を中心に賃料安定。

地区別の詳細相場(細分エリア)

① 首都圏エリア
② 近畿圏エリア
③ 中部圏エリア

6. 神奈川県相模原市の3地域の賃貸料相場

相模原市内の賃貸物流施設(倉庫・配送センター)の賃料相場は、圏央道インターチェンジ(IC)へのアクセス周辺の人材確保のしやすさによって、市内でも大きく3つの地域に分かれます。

地域区分 主な対象エリア・IC 賃料相場帯(共益費除く) 特徴・受給環境
① 南部・中央部エリア
(都市部・16号沿線)
国道16号沿い、JR横浜線沿線
(南区・中央区東部・古淵・淵野辺周辺)
4,500円 〜 5,500円 / 坪 人材確保が容易・ラストワンマイル向け
住宅街に近くパート採用が有利。配送拠点として需要が高く、市内で最も高値帯。
② 内陸・IC周辺エリア
(先進的物流施設集積地)
相模原IC・愛川IC周辺
(中央区田名・南区麻溝台・緑区下九沢等)
4,000円 〜 4,800円 / 坪 広域配送の拠点(大型マルチテナント中心)
圏央道へのアクセスが抜群。大型の先進的物流施設が集積しており、供給も豊富。
③ 北部・西山間部エリア
(郊外・山間部周辺)
橋本IC以北、旧津久井町域周辺
(緑区城山・津久井・相模湖周辺等)
3,200円 〜 3,800円 / 坪 コスト重視・保管型倉庫向け
高速ICや駅からの距離があるため賃料は割安。配送頻度の低い長期保管・自社運用向け。

※共益費(管理費)は別途 400円 〜 700円 / 坪 程度が発生するのが一般的です。

7. 賃貸時の建物関係費用(TCOの考慮)

物流施設を賃借(賃貸)する場合、毎月の「基本賃料」のほかに、建物・施設関連で発生する費用が数多く存在します。

毎月・定期的に発生する費用(運用費用)
初期工事費(C工事)および退去時費用

8. 自社建設(30億円)vs 賃貸(1,800坪)10年間コスト比較

延床面積 1,800坪(敷地 3,000坪)の配送センターについて、「自社建設(持ち家)」と「賃貸物件の10年間利用」の総コスト(TCO)比較です。

コスト項目 ① 自社建設(持ち家) ② 賃貸物件(10年間利用) 備考・補足
初期投資(CAPEX) 30.0 億円 1.2 億円 ①土地15億+建物15億
②敷金6ヶ月+C工事費等
毎月の固定支払(10年累計) 0 円(借入返済除く) 10.8 億円 賃料+共益費(月900万円 × 120ヶ月)
税金・公課(10年累計) 約 2.8 億円 0 円 土地・建物の固定資産税・都市計画税
修繕・維持・保険(10年累計) 約 1.5 億円 約 0.6 億円 外壁・屋根・各種設備点検費・火災保険
【10年間の総支出(キャッシュ)】 34.3 億円 12.6 億円 純粋なキャッシュアウト累計
10年後の「保有残存価値」 ▲ 22.0 億円(資産) 0 円(資産なし) 土地(地価維持15億)+建物(償却残約7億)
【10年間の実質保有コスト】 12.3 億円 12.6 億円 総支出から10年後の含み資産額を引いた額

9. 銀行融資(30億円・1.5%・20年返済)返済シミュレーション

借入条件: 固定金利 1.5% / 返済期間 20年(240ヶ月)/ 元利均等返済

10年間の実質キャッシュアウト比較表

資金流出・コスト項目 ① 自社建設(30億融資・20年返済) ② 賃貸物件(10年間利用) 差額・備考
初期自己資金(CAPEX/敷金) 0 円(フルローン想定) 1.2 億円 ②敷金6ヶ月+C工事費
月々の固定支払(10年累計) 17.38 億円(返済金) 10.80 億円(賃料+共益費) ①月1,448万円×120ヶ月
②月900万円×120ヶ月
固定資産税・都市計画税(10年) 約 2.80 億円 0 円 ①土地・建物の公課
保全・修繕・保険費用(10年) 約 1.50 億円 約 0.60 億円 ①外壁・屋根・点検・火災保険等
【10年間の総キャッシュアウト】 21.68 億円 12.60 億円 流出する現金の差:①が+9.08億円多
10年後の資産額(不動産価値) 15.00 億円(土地含み価値) 0 円 ①地価が買った時と同じと仮定
10年後の負債額(残金ローン) ▲ 16.18 億円(ローン残高) 0 円 ①あと10年間の返済残あり
【10年後の純資産インパクト】 ▲ 1.18 億円 0 円 資産15億円 − 負債16.18億円
【10年間の「実質負担額」】 22.86 億円(総流出21.68億 + 赤字1.18億) 12.60 億円 純資産の動きを含めた実質負担
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