第2節 PL固定棚

この資料は、物流センターにおける**「保管スペース」**の算出方法と、主要な保管設備(ラック)の特徴を解説したものです。

保管スペースの設計において最も重要なのは、「出荷形態(ケースかバラか)」による在庫の切り分けと、**「パレット(PL)換算による正確な容積把握」**です。

格納規模と面積の算出

パレット固定棚の配置を「棚+荷役通路+棚」の1セット(2列)として計算します。

  • 格納数の計算式: セット数 × 2(列) × 連数 × 段数 × 2PL で総格納数を算出します。
  • 設置面積の算出: Tera設定に基づき自動計算されます。設定値を変更して「計算開始(再)」ボタンを押すことで、即座に反映されます。
  • 建築条件の考慮: 柱や壁の干渉を考慮し、理論値の 1.2倍程度 の面積を見込むのが実務的です(通常7m〜10mスパンで柱が存在するため)。

設計上の重要寸法(クリアランス)

安全で効率的な運用のために、以下の標準的な寸法値が推奨されています。

  • PL荷姿: 自由に変更可能ですが、全高(H)は「荷高(H1)+ PL厚(H2)」で計算します。
  • クリアランス: 棚と荷の間隔、および隣接する荷との間隔は通常 100mm とします。
  • 隣接クリアランス: 建物と棚の間隔は 200mm 設定が多く、これは地震時などの建物と棚の揺れ方の違いを考慮したものです。
  • 床強度: 最大荷重1000kgの棚でも、建物床強度のチェック時は平均荷重 700kg として計算されるのが一般的です。

⚠️ リーチ型フォークリフト使用時の注意点

配送センターで多用される「リーチ型フォークリフト」を使用する場合、**アウトリガー(前輪部)**と棚の干渉に注意が必要です。

  • 干渉問題: フォークリフトのアウトリガーにパレットを載せた状態では、パレットを押し出す前に2段目のビームにアウトリガーが接触してしまう場合があります。
  • 揚高と荷重低減: 揚高が高くなるほどフォークリフトの積載許容荷重は低下します。最上段ビーム上面高 + 200mm の揚高性能が必要です。

干渉の解決策

  1. 通路幅の拡張: パレットをアウトリガーより前に降ろせるよう、荷役通路幅を広げる。
  2. ビーム高の調整: 2段目のビーム高をアウトリガーの高さ(約250mm)分、嵩上げする。
  3. 荷高の調整: 1段目のパレット高を250mm低く抑える。

計算画面

計算画面全体
格納規模

格納規模
棚・荷役通路・棚を1セット2列と変数を固定している。
列数=セット数*2=>5セット=10列と表示
格納数=列数*連数*段数*2PL
Tera設定に基づき設置面積を算出

Tera設定を変更「計算開始(再)」ボタンを押すことにより、変更を反映して再計算

PL荷姿

PL荷姿
PL寸法は自由に変更可能。
全高(H)は荷高(H1)+PL厚(H2)であることに注意

余談ではあるが、Max荷重1000Kgの棚は建物床強度チェックする際、平均荷重700Kgとして計算される場合が多い。

積載荷重が変化しても棚支柱幅は100mm(支柱肉厚で強度確保)、棚と荷のクリアランスは100mmとする場合が多い。

隣接クリアランス(建物と棚の間隔)は200mmが多く、これは建物と棚の揺れ方が違うことを考慮した寸法値。

補助通路はメイン通路と棚が隣接している場合は必要ない。

設置面積計算は柱壁などの建物の干渉による面積増を考慮し
設置面積計算値*1.2倍程度必要。連方向・列方向とも7m~10mスパンで柱がある。

フォークリフト荷重低減
最上段ビーム上面高+200のフォークリフト揚高が必要。
通常、フォークリフトは3m以上の揚高は、高くなるほど積載荷重が低減。1ランク上のフォークリフトが必要となる場合がある。 フォークリフト荷重低減は荷重中心(パレットの大きさ)と揚高によって変る。

リーチ型フォークリフトの注意点

リーチ型フォークリフトの注意点
配送センタのフォークリフトはリーチ型が多い。
荷役通路設定時に下記の点を注意する

左記図はフォークリフトの前輪部(アウトリガーと言う)にPLが載っている。
この場合、
フォ-クリフトのアウトリガーからPLを押し出す前に2段目ビームにあたる。

上記図を側面から見た図

側面図1
側面図2

解決策1:PLがアウトリガーの前でPLを床面に降ろせるように荷役通路幅(積付通路幅)を拡張する
解決策2:2段目ビーム高を250mm(アウトリガー高250mm)嵩上げする。
解決策3:一段目PL高を250mm低くする。