7-1.物流施設の建蔽率と容積率の計算方法
物流施設の建蔽率(建ぺい率)と容積率は、敷地に対して「どれだけの建築面積の建物を建てられるか」「どれだけの延床面積(床面積の合計)を確保できるか」を決定づける最も重要な法規制数値です。
1. 建蔽率(建ぺい率)の計算方法
敷地面積に対する「建築面積(建物を真上から見たときの水平投影面積)」の割合です。
建蔽率(%) = ( 建築面積 ÷ 敷地面積 ) × 100
- 建築面積の注意点:
- 庇(ひさし)や軒が外壁から1mを超えて突き出している場合、その先1mを後退した残りの部分が建築面積に加算されます(※トラックバースの深い庇を設計する際の重要ポイントです)[cite: 13]。
- 建蔽率緩和の特例:
- 指定建蔽率が80%の地域で、かつ建物が「防火地域内の耐火建築物」である場合、10%加算(角地緩和等と合わせて最大100%=建蔽率制限なし)になる特例があります[cite: 13]。
2. 容積率の計算方法
敷地面積に対する「延床面積(各階の床面積の合計)」の割合です[cite: 13]。
容積率(%) = ( 延床面積 ÷ 敷地面積 ) × 100
- 前面道路による制限:
- 容積率は「都市計画で指定された指定容積率」だけでなく、「前面道路の幅員(道路幅)× 係数(工業系地域は一般に0.6)」で計算した数値のうち、小さい方の数値が上限となります[cite: 13]。
3. 物流施設における容積率の「緩和・除外」特例
物流倉庫を計画する際、特定の条件を満たす設備スペースは容積率の計算対象(延床面積)から除外(不算入)できる特例があります[cite: 13]。これにより、実質的に多くの作業床を確保できます[cite: 13]。
| 緩和対象スペース |
緩和の条件・計算方法 |
物流施設でのメリット |
自動車車庫・荷降ろし場
(トラックバース・車道) |
延床面積全体の1/5までを容積率の計算から除外[cite: 13]。 |
トラックバースや大型スロープ、ランプウェイの面積を容積率枠から外せる[cite: 13]。 |
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エレベーターの昇降路
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昇降路(シャフト)部分の全階床面積を除外[cite: 13]。 |
荷物用エレベーターを多数設けても容積率を圧迫しない[cite: 13]。 |
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防災備蓄倉庫
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延床面積全体の1/50までを除外[cite: 13]。 |
BCP用の防災備蓄庫を容積率枠外で設置可能[cite: 13]。 |
4. 具体的な計算例
【条件】
- 敷地面積:10,000 ㎡[cite: 13]
- 指定建蔽率:60% / 指定容積率:200%[cite: 13]
- トラックバース・構内車道面積:2,500 ㎡[cite: 13]
- 建築面積:6,000 ㎡[cite: 13]
建蔽率の判定
6,000 ㎡ ÷ 10,000 ㎡ × 100 = 60% (指定建蔽率60%以内:判定OK)
容積率の計算(車庫等の不算入を適用)
計画上の総床面積が 22,000 ㎡(うちバース類 2,500 ㎡)の場合:[cite: 13]
- バース類の除外可能枠上限 = 総床面積 22,000 ㎡ × 1/5 = 4,400 ㎡[cite: 13]
- バース面積 2,500 ㎡は全額除外対象となるため、容積率対象面積は 22,000 ㎡ - 2,500 ㎡ = 19,500 ㎡[cite: 13]
計算上の容積率 = 19,500 ㎡ ÷ 10,000 ㎡ × 100 = 195% (指定容積率200%以内:判定OK)