消防法施行令の用途区分「15項(事務所)」

消防法施行令別表第1における「15項」は、「事務所、銀行その他これらに類するもの(前各項に該当しない事業場)」に区分されます。

飲食店(3項)やホテル(5項)、店舗(4項)などの「特定防火対象物(不特定多数が出入りする施設)」とは異なり、主に特定の従業員が勤務する「非特定防火対象物」に分類されるため、消防設備の設置基準が比較的緩やかに設定されています。

15項に含まれる主な施設例

単体(15項)における主な消防用設備の設置基準

主要な消防設備は、建物の「延べ面積」「階数」によって設置義務が発生します。

設備名 15項(事務所)での設置義務ライン
消火器 延べ面積 300㎡以上(地階・無窓階・3階以上は床面積50㎡以上)
自動火災報知設備(自火報) 延べ面積 1,000㎡以上(地階・無窓階・3階以上は床面積300㎡以上)
屋内消火栓設備 延べ面積 700㎡〜3,000㎡以上(構造・耐火性能・内装制限により変動)
スプリンクラー設備 原則 11階以上の階、または地階の床面積合計が 2,000㎡以上
誘導灯(避難口・通路) 地階、無窓階、および地上11階以上の階(一般的な地上階は誘導標識等で可)
非常警報器具・設備 収容人員 50人以上

15項に関する実務上の主要ポイント

1. 飲食店や店舗の入居による「16項イ(複合用途)」化

テナントビルなどで、15項(事務所)のみが入っている建物に飲食店(3項)や物販店(4項)が1店舗でも入居すると、建物全体が「複合用途特定防火対象物(16項イ)」へ変更されます。これにより、それまで不要だった自動火災報知設備(自火報)が建物全体に必要になるなど、消防設備の増設費用が発生するトラブルが多発します。

2. レイアウト変更(間仕切り工事)時の注意点

オフィスのリニューアルや増床で個室(会議室や役員室など)を新しく作った場合、天井にある消防用感知器やスプリンクラーの未警戒区域が生じるため、感知器の増設・移設工事が必要になるケースが一般的です。