消防法施行令別表第1における「13項」は、主に工場、作業場、整備工場、映画スタジオなどに区分される用途です。
14項(倉庫)や15項(事務所)と同じく、不特定多数の利用者が少ない「非特定防火対象物」に分類されますが、作業内容や使用する危険物・火気・機械設備によって火災リスクが高まりやすいため、特有の消防設備基準が設けられています。
13項は、危険物の取り扱いや火災危険性の高さによって「イ」と「ロ」の2つに細分化されます。
| 区分 | 対象施設 | 特徴・危険性 |
| 13項イ | 自動車修理工場、映画スタジオ・テレビスタジオ、作業場で火災危険度の高いもの | ガソリンや塗料などの危険物・可燃物を扱い、発火リスクが比較的高い施設 |
| 13項ロ | 一般の製造工場、印刷工場、縫製工場、作業場(上記イ以外のもの) | 一般的な製品の製造・加工・組み立て作業などを行う施設 |
建物の構造(耐火構造かどうか)や作業環境によって基準が変わりますが、主なラインは以下の通りです。
| 設備名 | 13項(工場・作業場)での主な設置義務ライン |
| 消火器 | 延べ面積 150㎡以上(地階・無窓階・3階以上は床面積50㎡以上) |
| 自動火災報知設備(自火報) | 延べ面積 500㎡以上(13項イの自動車整備場などは300㎡以上となるケースあり) |
| 屋内消火栓設備 | 延べ面積 700㎡〜1,400㎡以上(構造・耐火性能によって異なる) |
| スプリンクラー設備 | 原則 11階以上の階、またはラック式倉庫併設時などの特定要件 |
| 屋外消火栓設備 | 1・2階の床面積合計が 3,000㎡以上(耐火構造等は9,000㎡以上) |
物流拠点や配送センターにおいて、単に荷物を保管するだけでなく「梱包作業」「ラベル貼り」「簡単な組み立て・加工」を行うエリアがある場合、消防査察や事前協議で以下のような判定が下されることがあります。
軽微な流通加工: 倉庫(14項)の従属作業として扱われ、14項のまま運用可能。
本格的な加工・製品化: その区画または建物全体が「工場・作業場(13項)」または「倉庫と工場の複合用途(16項ロ)」とみなされ、より厳しい消防設備の設置を求められる。